ヘバーデン結節の手術:関節を固定して大丈夫?|まえだ整形外科・手のクリニック|東京都杉並区にある手外科・整形外科

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ヘバーデン結節の手術:関節を固定して大丈夫?|まえだ整形外科・手のクリニック|東京都杉並区にある手外科・整形外科

ヘバーデン結節の手術:関節を固定して大丈夫?

ヘバーデン結節の手術治療としては、関節を固定する手術が一般的です。関節を固定すると聞くと、不安になられる方もおられると思います。ここでは、関節固定術はどのような手術なのかを解説いたします。

関節固定術って、どんな手術?

まず、痛みの原因となっている骨のトゲ(骨棘)、すり減った軟骨を切除します。

次に、関節をまたぐようにスクリューを骨の中に挿入します。このスクリューは、ねじ込むことで骨同士に圧迫がかかるような構造になっています。関節を固定する角度は、曲がりが0~10度に設定します。

2つの骨は最終的に一体化し、関節がなくなるため、痛みが無くなるのです。

重いものを持つなど、指に負担がかかる作業は、骨がつくまで待つ必要がありますが、日常生活での軽作業は比較的早くから可能です。

関節が動かなくなると、手が使えなくなるでしょ?

手術の方法について説明すると、このようにおっしゃる方が多いのですが、手が使えなくなる事はありません。

すべての関節が正常な指の先端は、曲げ伸ばしによって、イラストのような軌跡を描きます。

次に第1関節を固定した場合をお示しします。

いかがでしょうか?
想像している程は違わないという印象ではないでしょうか。

「指が動かない」「手が使えなくなる」わけではない事がご理解いただけると幸いです。

それでも不安!

実際に体感しないと、イメージがわかないという方もいらっしゃるかと思います。

そこで当クリニックでは、手術を考えられている方に、治療にも用いるスプリントを終日装着することをオススメしています。

物理的に関節が曲がらなくなりますので、関節を固定した状態を疑似体験することが出来ます。

この手術は関節を固定するので、お仕事や生活で細かい作業が必要な方、楽器を演奏する方などには不向き・慣れが必要といった面もありますので、担当ドクターとよく相談していただく事が重要です。

(文責・イラスト:院長)

前田 利雄

記事監修

院長 前田 利雄
(まえだ としお)

  • 昭和大学医学部卒 医学博士
  • 日本手外科学会認定 手外科専門医・指導医