フォーカルジストニアに対するクリニックの取り組み
フォーカルジストニアの治療には、これが絶対という確立された治療法は、残念ながらまだありません。当クリニックで出来ることは限られますし、効果のある方もない方もいらっしゃいますが、現在行っている方法を紹介させていただきます。
スプリント治療
感覚運動再帰訓練と呼ばれる方法です1。

手のジストニアでは、ジストニアをおこしている指と反対の動きをする指がある場合があります(代償指)。
写真ではくすり指がジストニアの指、人差し指が代償指です。

この代償指にスプリントという装具を装着し、演奏の練習を行う方法です。医師・ハンドセラピストが連携し、代償指を特定して、スプリントをオーダーメイドで作成いたします。
当クリニックの患者さんの中には、スプリントを装着した直後から、ジストニアの症状が消えたという方もいらっしゃいます。もちろん、すぐにスプリントを外すと元通りになってしまうので、まずはスプリントを装着した状態のみで、ゆっくりしたテンポで練習していただき、徐々にスプリントを外していきます。
リハビリテーション
ジストニアにかかる方は、身体のバランスが崩れている事が多い印象をもっています。特にくび~肩まわりの筋力や柔軟性の低下を認めることが多いです2。
リハビリでは、身体全体のバランス・筋力を評価し、無理なく演奏出来るような姿勢を維持出来るよう、筋力訓練やストレッチ、ご自分で出来るトレーニングなどを提案いたします。
セカンドオピニオンのすすめ
ジストニアの治療には、わからないことがたくさんあります。治療には根気が必要ですし、思うような結果が得られない場合もあります。
色々な医師の意見をお聞きになられると良いと思います。音楽家の上肢の障害を診療している施設をご紹介いたしますので、参考になさってください。
当クリニックで全ての治療が提供できる訳ではありませんが、音楽を愛する方々のため、少しでもお役に立てれば幸いです。
(文責:院長)
参考文献:
-
Sensory motor retuning: a behavioral treatment for focal hand dystonia of pianists and guitarists.
Candia V, Schäfer T, Taub E, Rau H, Altenmüller E, Rockstroh B, Elbert T. Arch Phys Med Rehabil. 2002 Oct;83(10):1342-8. -
Functional dystonia in musicians:
rehabilitation.
Chamagne P. Hand Clin. 2003 May;19(2):309-16.